ひと言、「わからん」
毎晩楽しみにしているツール・ド・フランスだが、もうすぐ3歳になる息子はなぜか興味津々の様子だ。今日も寝る前に「自転車みる!」とせがまれてレースをしばらく観戦してから寝ている。すると珍しく妻も「今日は一緒に見ようか」と言ってテレビを観だした。私が自転車通勤を初めてもほとんど興味を示さなかったのだが、息子の様子に影響されてちょっと観てみようという気になったようだ。よしよしいい感じ、などと思いながら平成を装って3人で観戦する事になった。
レースの序盤、淡々と距離をこなしていく様子が美しいフランスの景色と共に映し出されている。旅行好きの彼女のことだからこの風景を観てなにか感じるものがあるかもしれないと思いながら、黙って放送を眺めていた。息子の方は自転車や車、バイクなどたくさんの乗物に満足しながら眺めている。
そうこうしながら5分程度の時間が過ぎたと思った頃、妻がボソッとつぶやいた。
「なにが面白いのかわからん」
それほど期待はしていなかったが、なんともやるせない発言だった。それから「マラソンみたいなもんやな」とも言われた。確かにレースの間中ずっと競い合ってる訳でもないし、激しい展開がある訳でもない。淡々とした時間が過ぎていくだけだとも言えるが、その緊張感を理解してはもらえなかったようだ。
確かに自分でも説明しきれない
では、自転車のなにが楽しいのか、ツール・ド・フランスのなにが興奮するのか説明しろと言われると困ってしまう事は確かだ。観ていてワクワクするし楽しいのだがポイントは何かと訪ねられるとはっきり説明できない。
フランスの名所を紹介しながらレースをしているのだと説明すると「ホノルルマラソンと同じや」と言われる。選手たちの身体能力の高さを説明しても何かピンとこない様子だ。いろんな角度から違った説明を試みるが結果は同じ、「わからん」らしい。
それはそれでいいのだが、確かに何が楽しいかうまく説明できない。
どうしてこんなにワクワクするのか言葉で表現できない。
一般的な傾向に合致しているようだが、ふたりのベクトルは当分交わりそうにない。
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